遺体なき殺人、裁判員裁判に…仙台で3人起訴
仙台市青葉区の風俗店経営石垣英治さん(当時30歳)が5年前から行方不明になって
いる事件で、仙台地検は16日、石垣さんを殺害し現金を奪ったとして、北海道旭川市、
無職笹本智之被告(35)ら3人(いずれも逮捕監禁罪などで起訴)を強盗殺人罪で
仙台地裁に起訴した。
裁判員裁判の対象となるが、被害者の遺体が見つかっていないうえ、地検の発表によると
被告の1人は容疑を否認している。「遺体なき殺人事件」の事実認定を巡り、裁判員は難しい
判断を求められそうだ。
起訴されたのは、ほかに横浜市、無職小谷野裕義(37)、仙台市若林区、会社役員菅田
伸也(31)の2被告で、3人のうち菅田被告は起訴事実を否認しているという。3人と一緒に
強盗殺人容疑で逮捕された東京都杉並区、会社員川本仁哲被告(37)(逮捕監禁罪などで
起訴)は、殺害現場まで同行しなかったなどとして強盗罪で起訴された。
起訴状では、笹本被告らは2004年9月、石垣さんを車で仙台市太白区の山中に連れて
行き、頭部をバールで殴るなどして殺害、自宅から現金約5000万円などを奪ったとして
いる。
笹本被告らは石垣さんを東京都内で拉致し、茨城県内の別荘に立ち寄った後、同区の
山林で殺害したとされる。宮城県警は供述に基づき山林を捜索し、石垣さんのものとみら
れる毛髪を発見したが、遺体や凶器は見つからなかった。
「遺体なき殺人」を扱った過去の裁判では、検察側が膨大な証拠や証言を積み重ねて
立証した。裁判員裁判では数日間で裁判員に説明するため、検察側には証拠を厳選した
うえでの分かりやすい立証が求められる。仙台地検の東弘次席検事は「供述や客観証拠
で、裁判員には理解してもらえると思う」としている。
(2009年11月16日23時49分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091116-OYT1T01496.htm