藤井裕久財務相は15日、大阪市で行われた関西経済団体との意見
交換会と記者会見で、各国が通貨安競争をしてはいけないと述べる
とともに、日本経済を内需主導に転換させることの重要性を訴えた。
藤井財務相は、3日にトルコのイスタンブールで開かれた7カ国財務
相・中央銀行総裁会議(G7)に触れ、「各国が通貨安競争をしてはだめ
だ。1930年代の為替ダンピングは世界経済・政治をむちゃくちゃに
したと話した」と自身の発言を紹介した。
その上で、貿易と為替の関係について「日本の技術、先端技術は
非常に優れており、輸出というかたちで世界に貢献するのは正しいこ
と」との見解を示しながら、「円安に振りながら何が何でも輸出を伸ばす
というのは違う」と語った。
藤井財務相は、円安誘導による輸出振興を高度経済成長期の遺物と
し、現代で同様のことを行えば「1億総格差社会になる。政策の方向を
転換しないといけない」と強調。現政権が掲げる政策の実現で内需主
導の経済構造に転換することが必要と訴えた。
自身のこれまでの為替に関する発言については「円安がだめとか、
円高がいいという話は一言もしていない」とし、「政治の仕事は、通貨
価値を安定させることだ。安定の基本は経済力に応じた通貨価値で
あり、これは政治がやることだと思う」と語った。
また、亀井静香郵政・金融担当相が中心に進めている「貸し渋り・貸し
はがし」対策法案のとりまとめに関しては「公が一律にやるのではない
という法案ができるのではないか」と語った。REUTERS
http://jp.reuters.com/article/marketEyeNews/idJPnTK031821920091015