診療報酬改定、具体的な数字は盛り込まず―厚労省概算要求
厚生労働省は10月15日、2010年度予算の概算要求を財務省に提出した。
一般会計は8月に提出した要求額の26兆4133億円より2兆4761億円増え、
28兆8894億円。主な新規要求事項として、子ども手当の創設や年金記録問題への
対応のための費用などを計上したが、診療報酬改定や新たな新型インフルエンザ
対策などについては、具体的な要求額が盛り込まれなかった。同日夜に記者会見
した長浜博行厚労副大臣は、2010年度概算要求について「編成方針が鳩山総理大臣
から出ているので、あえてマニフェストの工程表にのっとって誠実に書いた」と述べた。
厚労省は主な新規要求事項として、先の衆院選で民主党がマニフェストに掲げた
「子ども手当の創設等」に2兆1279億円、「年金記録問題への対応」に1779億円、
「雇用保険制度の見直し」に2681億円を、それぞれ新たに計上した。
一方で、▽診療報酬改定▽高齢者医療制度の保険料の上昇を抑制する措置
▽新型インフルエンザへの万全の対応▽がん対策の拡充▽肝炎対策の拡充―
などについては、年末までの予算編成過程で検討する「事項要求」として、具体的な
数字は盛り込まれなかった。長浜副大臣は診療報酬改定について、「話し合いは
進んでいる」としながらも、具体的な今後の見通しや規模については明言を避けた。
また、8月の概算要求から、一般会計と特別会計を合わせて1868億円の削減を行った。
内訳は、「天下り法人への補助金等の削減」が1013億円、「公共事業関係費・施設整備費の
削減」が248億円、「システム開発費の削減」が281億円。このほか「その他のコスト削減」と
して、レセプトオンライン化経費22億円分や、療養病床の転換助成の費用29億円分など
計726億円が削減されることになった。
■日医と日看協、補助金2割削減へ
厚労省が提出した概算要求では、天下り法人への補助金の削減を打ち出した。
日本医師会や日本看護協会は、「国家公務員OBが在籍する法人」として、
8月の概算要求に比べて補助金をそれぞれ20.0%削減。また、社会保険診療報酬
支払基金は「再就職者が5代以上続いている法人」として、補助金を95.6%削減する。
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/politics/cabrain-24790.html