国会対策:やっぱり官僚頼み 質問議員への事前聴取指示
今月下旬召集予定の臨時国会を前に、平野博文官房長官らが首相官邸に各府省の
国会担当の官僚を集め、与野党議員への「質問取り」を指示していたことが15日分かった。
自民党政権では、国会答弁資料を作成するために、官僚が事前に与野党議員から
質問内容を聞き出す「質問取り」が慣行となり、国会での質疑では多くの閣僚が官僚
作成の答弁要領を読み上げる光景がみられた。
「脱官僚依存」を掲げる民主党は国会論戦も政治主導で進める方針で、小沢一郎
幹事長は官僚の国会答弁を禁止する国会法改正案の臨時国会提出を目指している。
それに逆行するかのような政府側の対応に自民党からは「言行不一致だ」との声も
上がっている。
平野氏と各府省の国会連絡室担当者の会合は13日昼に行われ、松野頼久、
松井孝治両官房副長官も同席した。出席者によると、平野氏は「初めての臨時国会で
失敗は許されない。よろしく頼む」と述べ、質問取りを要請。この後、ある省の担当者は
自民党幹部に「官邸から質問取りをするよう指示された。近くうかがいます」と電話で
伝えた。
別の担当者は「質問取りを指示された。ただ、小沢幹事長の主張との整合性を考えると
、違和感を感じた」と話した。
民主党は国会改革の一環として、質問取りを政治家である政務官が行うことを検討
しているが、従来の慣例から抜けきれない背景には、各府省の政務官(25人)が閣僚、
副大臣との政務三役会議などを抱えて多忙なうえ、交渉相手となる自民党との人脈に
乏しいという事情もあるようだ。
臨時国会で自民党は鳩山由紀夫首相の献金虚偽記載問題や政府内で対応が揺れる
米軍普天間飛行場移設問題などで民主党を追及する方針。大島理森幹事長は13日の
記者会見で「(自公政権時代に)政務官に質問取りをさせようとしたが、『行政職(官僚)が
来ないとだめだ』と言ったのは民主党だ。政権を獲得したから(といって)やり切れるのか」
と疑問を呈していた。
http://mainichi.jp/select/today/news/20091015k0000e010080000c.html?link_id=RTH02