首相の献金問題/期待が失望に変わる前に
透明であること、明快であること。旧来の政治手法がそういう方向に改まるかも
しれないという予感を集めて、鳩山由紀夫政権は誕生した。内閣の支持率はかなり高い。
説明すること自体を避けたり、あいまいにしたりするような態度とは無縁の、真正面から
向き合った上でのメッセージが期待されている。首相とその周辺も、そこは十分自覚して
いるように見える。
しかし、事が自分の疑惑となると、やはりそうはいかないようだ。献金虚偽記載問題での
対応が、「政治とカネ」をめぐって何度となく繰り返されてきた光景に似てきた。
目標に掲げる政策転換の可否ももちろん大きな関心事だが、批判や疑惑の指摘に
対してどんな語り方をするかに、有権者は注目している。
その視線には、すっかり見あきてしまった政治の光景を透明、明快な言動で一新して
ほしいという期待が込められている。失望に変わってしまう前に、首相はこの問題の
語り方を練り直すべきではないか。
政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いを指摘されているのは、首相の資金管理団体
「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書。5万円を超す個人献金の中に、既に死亡
した人や献金をしていない人の分が多数含まれていたとされる。
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2009/10/20091012s01.htm