鳩山内閣「幼保一元化」を加速へ 子育て支援の目玉に
鳩山内閣は11日、保育所入所を待つ待機児童の解消に向け、幼稚園と保育所の
機能を一つにする「幼保一元化」を加速させる方針を固めた。子育て支援の目玉政策
とする考えだ。仙谷由人行政刷新担当相が主導し規制改革として取り組む。
仙谷氏は同日のNHK番組で「幼保一元化がなぜできなかったのか。この構造をどう
変えるのかが問題だ」と指摘した。
また、これまでの政権下での規制改革会議が製造業への労働者派遣解禁を提言
するなど“小泉改革”色が濃いことから、この改組を検討。廃止して行政刷新会議が
役割を担う案も浮上している。仙谷氏が副大臣ら「政務三役」で確認した。
厚生労働省の調査では、今年4月現在の待機児童は約2万5千人で、前年同月比で
増加の数、率とも最大となった。状況改善のため「幼保一元化」推進を求める声も
強いが、就学前の子どもを教育する幼稚園を所管する文部科学省と、親の共働きで
保育が難しい子どもを長時間受け入れる保育所を所管する厚生労働省の縦割りが
障害となっているとされる。
刷新会議では、幼稚園と保育所を一元化した現行の総合施設「認定こども園」の
認定基準の緩和や手続きの簡素化、地方自治体の担当部署の統一促進などが
検討される見通し。文科省と厚労省の二重行政解消にも踏み込む構えだ。
麻生太郎前首相がことし5月に一元化検討を指示しながら「文教族」議員の反対
などで断念した経緯もあり、一元化を推進して鳩山内閣の政治主導をアピールする。
ただ文科省と厚労省の抵抗は必至。民主党内でも日教組出身の議員らは一元化に
消極的とされ「どこまで抑えきれるか」(政府関係者)と懸念する声もある。
http://www.daily.co.jp/society/main/2009/10/12/0002437555.shtml