日本と韓国 歴史を直視して、前へ 朝日社説 [09/10/10]

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1@株主 ★
 近隣外交の上々の滑り出しである。

 鳩山由紀夫首相がアジアで最初の訪問先に韓国を選び、きのう李明博大統領と
ソウルで会談した。

 「新政権はまっすぐに歴史を正しく見つめる勇気を持っている」。首相は会談や
記者会見でそう語った。

 李大統領は「真心と開かれた心で韓日関係を未来志向的に発展させる立場だと
高く評価する」と応じ、日韓の協力強化をともに確認し合った。

 鳩山首相が強調したのが、戦後50年にあたる1995年に出した「村山談話」だ。
「談話を(日本の)政府・国民がたいへん重要だと理解することがまず非常に重要だ」
とした。談話重視は当然のことだし、それを隣国で発したことを評価したい。

 この談話で、日本はアジアで行った植民地支配や侵略への深い反省を表明した。
社会党の村山富市首相の名を冠してはいるが、当時の連立政権には自民党も
加わっていた。閣議決定を経た政府の公式見解だ。

 なのに、自民党やその後の歴代政権の中には談話をうとましく思い、否定しようとする
人々がいて、アジアの国々からの不信を招いてきた。米国もそうした動きに眉をひそめ
てきた。

 戦後60年の05年には小泉純一郎首相も村山談話を踏襲する「小泉談話」を出した。
だが、靖国神社参拝にこだわり近隣外交を台無しにしてしまった。

 政権交代を果たした鳩山内閣として、そうした自民党流のアジア外交の曲折を
抜本的に清算したい。そう意気込んでいるに違いない。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html