「ヌバショーリ ハイ!」 島言葉でラジオ体操、人気上昇
【石垣】「ウデュ ユ マイカラ ウヤァービカイ アギィ ヌバショーリ ハイ!
(腕を前から上にあげて、大きく背伸びの運動)」。心がほっこりするような響きに
包まれて体を動かす「スマムニ(島言葉)ラジオ体操」。石垣市新川の住民でつくる
新川字会(上唐利夫会長)が5月に作り、夏休みの早朝ラジオ体操はもちろん、
運動会や市の健康づくり対策にも採用されるなど、人気上昇中だ。このラジオ体操は、
“おもしろい”だけにとどまらず、方言を話せなくなった世代のスマムニへの危機感と
地域への愛情が込められている。
始まりは5月。新川字会運動会の数日前、字会文化部長の翁長致純(ちじゅん)さん
(43)=石垣市消防職員=が「年寄りも楽しんで参加できる種目を作りたい」と
スマムニでのラジオ体操を思いついた。早速CDを買ってナレーションを書き写し、
元文化部長で地元ラジオ局のパーソナリティーの照屋寛文さん(49)に相談。
ナレーションを依頼した。
「やらんっ」。照屋さんは今年2月、自宅の新築祝いを島言葉で行った際、長老に
間違いを指摘されて落ち込んでいた。だが、翁長さんは「恐れていたら、スマムニは
ますます衰退する」と説得。その熱意に折れた照屋さんは、新川老人会前会長の
嵩本安意さん(71)に方言指導を頼んだ。
方言辞典を開いたが、ない言葉も多く、「弾みをつけて」は「ピョーシ ピョーシ(拍子 拍子)」、
「深呼吸」は「イキ ユ ンニカイ チューク ヌミ(息を胸に強くのむ)」と表現を工夫した。
今では運動会でも採用され、ナレーションが始まると笑顔が広がる。
「全然わからなかったけど、おもしろい」と石垣小6年の下地玲美菜さん(11)。
宮良長誠君(12)も「じーちゃん、ばーちゃんと話すときのやさしい気持ちになる」と
にっこりだ。照屋さんは「すでに使われなくなった単語も多かった。体操で残すことが
できたら」。スマムニラジオ体操は彼らの思いを乗せて、広まっている。
【ソース】=琉球新報=
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-150967-storytopic-5.html