鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」への献金が虚偽記載だったとして、
同会の政治資金収支報告書から削除された「寄付者」約90人のうち10人が、毎日新聞の
取材に「実際は献金している」と証言した。削除の前提となる鳩山氏側の調査がずさん
だった疑いが浮かんだ。調査の正確性について、鳩山氏側は説明をしていない。
この虚偽記載を巡っては、告発を受けた東京地検特捜部が寄付者から参考人聴取
するなど捜査を始めている。
同会の05〜08年の収支報告書によると、個人の寄付者として記載があったのは
114人、262件、計9952万6000円。
このうち94人、193件、計2177万8000円については、故人の名前などを使ったもので
実際に献金はなく、虚偽の記載だったとして、鳩山氏側が収支報告書から削除した。
しかし、毎日新聞が寄付者やその親族に取材したところ、10人が「削除されたが、
実は献金している」と証言。中には鳩山氏の初当選以来、毎年献金しているという
男性もいた。男性は「(削除は)不可解というより、失礼だ」と憤った。
一方、一度も献金していないのに記載され、その後削除された会社役員の男性は
「鳩山さんとの関係は全くない。勝手に名前を使われ、何の説明もない。あきれている」と
批判した。
これまでの鳩山氏側の説明によると、削除の前提となる調査は「書類上の確認」に
とどまり、寄付者に対する聞き取りは行っていないという。
調査の正確性について、毎日新聞は調査を担当する弁護士に問い合わせたが、
弁護士は「必要な時は(報道機関)各社統一で回答します」と書いた文書を送って
きただけだった。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091004k0000m010116000c.html