金利返済も猶予案 国民新幹部「必ず実現させる」
銀行からの借金返済の猶予策をめぐり、亀井静香金融相が所属する国民新党が
「元本だけでなく金利の一部も含めて3年程度猶予する」との独自案を固めた。
民主党は利払いの猶予については慎重な姿勢で、「貸し渋り・貸しはがし対策」の
内容を固める9日に向け、両者の調整が焦点になりそうだ。
金融庁では前日発足した「貸し渋り・貸しはがし対策検討会議」が30日も開かれた。
臨時国会に提出する法案の素案を5日までにまとめ、大塚耕平・金融副大臣らの
2次検討チームに引き継ぐ。
国民新党の独自案は、借り手の企業の経営状況を見て、立ち直る可能性が高い場合は
金利も猶予するという内容。党幹部は「必ず実現させる」と述べ、亀井氏も30日のテレビ
番組で「対象としては金利も含めて検討している」と明言した。
国民新党が意気込む背景には返済猶予が党の「目玉政策」になっている事情がある。
国会議員8人の小政党ながら、国民にPRできれば求心力も高まるからだ。亀井亜紀子
・副幹事長は30日、「税金で銀行は助けられたのに、中小企業が全く借りられない」と
述べた。
金利を猶予すれば、借り手は資金繰りの余裕が増す。一方で銀行側は資金を貸した
「対価」が一時的にでも得られなくなり、当面の利益にも影響する。
一方、民主党は、藤井裕久財務相や平野博文官房長官らが、利払いの猶予については
当初から慎重な対応を求めていた。鳩山由紀夫首相も29日に記者団に対し「銀行も当然
やっていけないから金利の部分だけは支払う、元本の返済は猶予するという形の法案の
あり方を考えてみたい」と述べている。
与党の中で民主党は圧倒的な比重を占めるが、この問題については担当相である
亀井氏の影響力は大きい。亀井氏は30日、日本商工会議所の岡村正会頭と会談。
岡村氏は「中小企業を倒産から守りたいという理念は正しい」と述べた。亀井氏は今後、
銀行業界や中小企業の関係者らとも会って、政策への理解を求める考えとみられる。
http://www.asahi.com/politics/update/1001/TKY200909300390.html