NEC・日立・カシオ、携帯端末事業統合で調整
NEC、日立製作所、カシオ計算機の3社が、携帯電話機事業を
2010年4月をメドに統合する方向で調整に入ったことが27日、
明らかになった。
実現すれば、国内販売台数の市場占有率は20%を超え、首位
のシャープに肉薄する。携帯電話は販売が伸びない一方で、
多機能化で開発費用は増える傾向にある。今回の3社の動きが、
大規模な業界再編の呼び水となる可能性がある。
日立とカシオは、04年に携帯電話の開発部門を統合して合弁
会社を設けている。NECが携帯事業を分社化して、この合弁
会社に合流する案を軸に検討しているほか、3社の生産部門の
統合も検討する。新会社の出資比率は、NECが50%超を持つ
方向だ。
統合で開発や材料費を削減し、コスト競争力を大幅に向上させる
狙いだ。また、NECは現在、NTTドコモとソフトバンクモバイルに、
日立はKDDI(au)に、カシオはauとソフトバンクに、それぞれ端末
を供給しており、各社の販路拡大にもつながりそうだ。
調査会社BCNによると、08年度の占有率は、NECが3位(12%)、
カシオが8位(5%)、日立が9位(4%)だ。統合により、2位のパナ
ソニック(17%)を抜き、シャープ(22%)に迫る。
携帯電話の今年1〜6月の出荷台数は、前年同期比36%減の
1597万台と低迷している。一方、テレビ放送の受信や電子マネー
への対応など高機能化が加速しており、新機種1台あたりの開発
費用は100億円とも言われる。(2009年8月28日03時06分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090828-OYT1T00156.htm?from=main1