埼玉県警の警官13人、派遣業パーティーで候補者と同席
2009年8月28日5時59分
埼玉県警の警察官13人が今月初め、選挙カーで候補者名などを
アナウンスする女性の人材派遣などを手がける業者のパーティー
に参加し、総選挙の立候補予定者らと同席していたことが県警など
への取材で分かった。
県警は「地方公務員法などに違反していない。特定の政党を支持する
ような行為もなかった」として処分しない考えだが、24日付で「捜査の
公正さを疑われる会合への出席は慎重に」と全職員に指示した。
県警や業者の説明では、パーティーは業者の設立を記念し、今月2日、
県西部の市で開かれた。業者の親族が県警の警察官で、その同僚
などとして県警刑事部などの警察官13人が招待され、会費1万円を
払って出席した。選挙違反の取り締まりに直接携わる捜査員もいた。
催しには、埼玉の小選挙区への立候補予定者や参院議員、県議、市議
が出席。いずれも保守系の議員だった。ある出席者によると、総選挙を
話題にした立候補予定者のあいさつがあり、リーフレットやポスター、
名刺入りの封筒も配られたという。
指摘を受けて県警が事情を聴いたところ、13人は「業者が運動員を派遣
しているという認識がなかった」「同僚との内輪の飲み会だと思った」など
と話し、立候補予定者らの出席も、会場に行って初めて知ったという。
警察庁と県警は、7月21日付で全職員に、総選挙の違反取り締まりに向け、
「各種団体の会合については、取り締まりの公平さに疑念を抱かれる恐れが
ないか、出欠を慎重に検討し対処」するよう、文書で通達している。
県警警務課は「会合の趣旨自体は選挙に関するものではない。法律で禁じ
られている特定党派を支援するような行為もなく、問題はない」としたうえで、
「取り締まりに疑念を抱かれることのないよう徹底したい」としている。
一方、業者側は「会合は1年前から日程が決まっており、捜査員はあくまで
親族の同僚として出席してもらった。問題はないと考えている」と説明している。
http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200908260193.html