GXロケット開発で政府見解「需要見込めず」 (読売新聞)
政府は、中止を巡ってもめている官民共同開発の中型ロケット
「GX」計画について、現時点では需要や国際競争力を見込め
ないとする初めての見解をまとめた。
2010年度予算の概算要求にも、開発費を盛り込まない。その
一方で、GX用の液化天然ガス(LNG)エンジンだけは予算を要求
し、開発を続ける。何に使うか未定のままエンジン開発だけを進める
玉虫色の判断に、「税金の無駄遣い」という批判が一層高まりそうだ。
GXは民間主導で2003年から計画が始まったが、膨れあがる
開発費などに民間側が「開発は国が進めてほしい。完成後の
打ち上げビジネスは民間が行う」と要望。
今後国の負担は1000億円以上にのぼるとみられることから、国の
宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)などで開発の是非を検討
してきた。
その結果、〈1〉GXロケットによる打ち上げ事業がビジネスとして
成立するとは判断できない〈2〉大型ロケット・H2Aより安価で国際
競争力を持つロケットになるというデータがない――などから、
「本格的着手を判断できる状況にない」と厳しい見通しを示した。
GXは、IHI(旧石川島播磨重工業)と一部の国会議員が開発を主張。
だが、政府内では中止論が大勢を占め、民主党もこのまま続ける
ことへ批判が強い。
このため、政権交代をも視野に、来年度の予算要求は民主党も
同意しているLNGエンジン開発だけにとどめた。
来年度予算でGX開発の概算要求を断念したことで、計画継続は
事実上、極めて困難になるが、政府は「(国際競争力などに)進展
があれば予算編成で必要な対応を行う」と開発推進派への配慮も
示し、巨費を伴うプロジェクトの是非に明確な判断を下せなかった。
http://news.www.infoseek.co.jp/society/story/20090825_yol_oyt1t00045/