今年上半期(1〜6月)に詐欺罪で摘発された暴力団関係者は947人で前年同期より
182人増えたことが、警察庁のまとめで分かった。摘発された事件数も前年同期比で
3割以上増加しており、同庁の担当者は「暴力団がさまざまな詐欺事件を起こして、
資金源としている」と警戒している。
警察庁によると、暴力団関係者による詐欺の手口は、振り込め詐欺や、生活保護費の
不正受給、交通事故を装った保険金詐欺など多様。また、最近の経済不況を背景に、
条件や審査が比較的緩やかな融資制度を狙った詐欺も多発している。
全刑法犯における暴力団関係者は1万2444人と前年同期比で418人減少した。
覚せい剤や恐喝、賭博など暴力団が伝統的に資金獲得源とする犯罪の摘発者は
4126人。ここ数年は減少傾向にあり全体の約3割を占めた。
警察庁の担当者は「度重なる暴力団対策法(暴対法)の改正などで、暴力団の威力を
背景にした事件は減っているものの、経済活動を装った犯罪など見えにくい形の活動に、
どう切り込んでいくのかが警察としての課題」としている。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009082302000143.html