政調費 領収書なし6600万円
前橋市議会4年分監査 使途不適正114万円市長、返納求める
前橋市議会の一部会派が2008年度の政務調査費を不適切使用
していた問題で、05年3月から09年3月までに各会派が使用した
政務調査費の総額2億800万円の3割にあたる計約6700万円分
が条例・規則違反だったことが、21日に発表された同市の監査
結果でわかった。
ほとんどが保管義務が定められた領収書がないとされたケースで、
うち計約114万円分は使途が不適正とされた。真政会(前光クラブ)
は違反とされた約270万円全額の返還を決めた。
監査は、一連の問題を受け、高木政夫市長が6月26日に過去に
支出された政務調査費について、市監査委員に要求した。同市議会
の条例などでは、07年度まで政務調査費の領収書は、5年間、
会派内での保存を義務付けていたが、08年度からは1円以上の
領収書の議長への提出も義務付けた。
今回の監査は各会派から提出された収支報告書と領収書などの
証拠書類を基にし、領収書の保管が適正か、支出目的は妥当か
などを基準に行われた。監査結果報告書によると、領収書などが
ないと判断されたものが4766件、約6600万円、うち懇親会や
同好会費など使途の不適正なものが113件、約114万円に上った。
会派ごとにみると、条例・規則違反が最も多かったのは、清新クラブ
の4270万円で、これは同クラブの05〜07年度の3年間の使用
金額の全額だった。会派内でほとんど領収書を保管しておらず、
監査委員に提出されなかったためという。また、懇親会など使途の
不適正なものでは、前光クラブが約90万円、公明党市議団が
約25万円などだった。
清新クラブの立見賢三幹事長は「監査委員との認識に違いがあり、
結果は不本意。規則などに領収書等の保管とあるので、会派独自
の記録を提出すれば、認められると思った」とし、今後、監査委員
から事情を聞いて、対応を検討するとした。また、真政会の岡田
修一幹事長は「結果は申し訳ない。24日に全額返還する」とした。
(2009年8月22日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20090822-OYT8T00083.htm