昨年12月から始まった刑事裁判への被害者参加がどのように運用されているかについて
、日本弁護士連合会が実態調査に乗り出す。21日には裁判員制度もスタート。殺人や強盗
致死傷など制度の対象事件は被害者の参加が認められる事件と重なるケースが多いこと
から、「裁判員裁判が実際に始まる前に課題を知りたい」(犯罪被害者支援委員会の番敦子
弁護士)という。
最高検によると、被害者参加については、今年1月末までに64件の申請があり、45件が
許可された。犯罪被害者支援委員会は「春までに許可は100件を超え、被害者に弁護士が
ついたのはその半分程度」と推測する。
日弁連は、被告、被害者、双方の弁護士をだれが務めたかを各地の弁護士会に照会中。
これをもとに5月下旬からアンケートし、事件の概要▽被告の認否▽被害者が参加を制限
された場面の有無▽被害者が証人尋問や被告人質問をしたか▽制度への評価などを調
べる。
被害者参加をめぐっては「法廷が混乱する」などと心配されたが、ともに調査する日弁連
刑事弁護センターの篠塚力弁護士は「始まってみると被害者が被告の反省を促した良い例
もあった」と指摘。「参加が増えれば刑事弁護も変わる。情報を共有し、一般の人にも納得
される充実した法廷にしたい」と話す。
http://www.asahi.com/national/update/0514/TKY200905140186.html