米財務省と米証券取引委員会(SEC)など金融規制当局は十三日、昨年の金融危機を
拡大した原因と指摘されているデリバティブ(金融派生商品)の規制案を発表した。
金融派生商品の清算を中央決済機関で行うことを強く求め、取引を透明化させる。企業の
監督も強化し、議会に商品取引法など関連法の改正を求める。
中央決済機関で清算をしない場合は、取引内容を米金融当局に報告しなければならない
。金融派生商品を多く保有し、金融システムに影響を与える可能性がある企業の資本など
の基準も作る。
金融派生商品は複雑な金融工学を駆使して生み出された商品。中でも、投資家を企業
倒産や債務不履行などで出る損失から守るクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ば
れる商品は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が積極的に販売し
世界に広がっていた。AIGが破綻(はたん)した場合に金融システムが世界的な混乱に陥る
可能性が高まり、米金融当局が救済に乗りだした。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009051402000220.html