鶴ケ島市の藤縄善朗市長が、自身のブログで市議会会派「いずみ会」の三市議を「こんなに無知で、
恥知らずでいいのか」などと批判し、これに同会は「名誉棄損だ」と猛反発している。
十日に開かれた議会代表者会議で、同会はブログの削除などを藤縄市長に申し入れるよう求めたが、
「当事者同士で解決を」という結論に終わり、両者の争いの決着点はみえないままだ。 (山口哲人)
事の発端は、いずみ会が三月末に約五十部配布した会報。同会はその中で、
市が第三セクター「地域協働推進機構」に委託して進めている事業について「疑義」があると記載した。
これに対して藤縄市長は四月一日、「うそで塗り固められた、
しかも無責任な表現に心底怒りを覚えた」と自身のブログで「疑義」を
真っ向から否定。「政治をおままごとと勘違いしているやから」とつづった。
十日の代表者会議には、いずみ会とほか三会派の代表らが出席。いずみ会の要求に対して、
ほか三会派のうち、昨年九月議会で市長ブログにかみついた共産が同調しかけたが、結局、「当事者同士で」となった。
いずみ会は今後、「ブログでの個人攻撃は、議員活動を阻害する懸念がある」として、
ブログの削除と謝罪の掲載に加え、議会での謝罪を要求する方針だ。
藤縄市長は「少し品格を欠いていた」と反省する一方、「利害が絡んでいるような書き方をされ、推進機構の社長に失礼。
だから強い言い回しになった。彼らが謝罪すれば議論のスタートラインに立つ」とし、両者の対立は収まりそうにない。
早稲田大学大学院政治学研究科の歌田明弘非常勤講師は「有権者一人一人に直接呼び掛けたい政治家の欲求が、
ネットの誕生で簡単に満たせるようになった。
その情報が過激すぎないかどうかを含め、有権者自身が正しいかを見極める責任が増すだろう」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20090411/CK2009041102000091.html