F22生産中止に理解求める―空軍幹部が米紙に寄稿
米空軍のマイケル・ドンリー長官とノートン・シュワルツ参謀総長は、13日付米紙ワシントン・
ポストに、国防総省が最新鋭ステルス戦闘機F22の調達打ち切りを決めた背景や理由を説明
する論文を連名で寄稿した。議会や軍事専門家からは、雇用への影響や戦力低下を懸念する
声が相次いでいることから、論文はF22生産中止の方針に理解を求める狙いがあるとみられる。
ドンリー、シュワルツ両氏は「F22は間違いなく、最高性能の戦闘機だ」としながらも、「生産を
中止する時が来た」と主張した。
F22は1機当たり1億4000万ドル(約140億円)以上と高額なことから、「F22を購入するほど
他のことができなくなる」と指摘。F22の調達を続ければ、情報収集や偵察、宇宙、サイバー、
核戦力など空軍が担当するその他の重要分野に十分な予算が回らなくなるとの見方を示した。
ゲーツ国防長官はF22の調達を打ち切る代わりに、欧州諸国と共同開発中のF35を導入する
方針を表明しているが、ドンリー、シュワルツ両氏はF35について、F22と同様、優れた能力を
持つ戦闘機であると説明した。
F35の生産が軌道に乗るまでの「保険」として、F22の生産を継続すべきかどうか検討が行わ
れたが、二つの戦闘機を同時に生産するのは費用がかさみ、また、F35の生産が順調にいか
ない可能性があるとしても、「悲劇的な失敗の危険性はほとんどない」と判断したことを明らか
にした。
ステルス性などを備えるF22やF35は「第5世代」の戦闘機と位置付けられるが、両氏は今後
数年以内に「第6世代」の開発に着手する見通しも示した。
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/090414-145847.html