インターネットを通じて外出先から自宅のエアコンやテレビなどを遠隔操作する「ホーム
ネットワーク」で、総務省と通信・家電メーカー各社は5日、平成23年までに技術仕様を
共通化する方針を固めた。現在は仕様がばらばらのため、複数のメーカーの製品を組み
合わせた高度なサービスの提供ができない。共通化により、機器やサービスの普及を促
すとともに、世界共通で利用される「国際標準化」を目指し海外市場の開拓につなげたい
考えだ。
25日からの3日間、民間約30社が参加し公開実証実験を都内で実施する。参加する
のは、NTTやKDDI、パナソニック、日立製作所、三菱電機など。
ホームネットワークは家電や空調・給湯機器、ドアの施錠などをネットと接続し、遠隔で
操作したり、利用状況を屋外から把握できるシステム。すでに対応機器や各種サービス
が登場しているが、メーカーごとに仕様は異なる。
このため、18年に総務省が音頭をとり通信会社やメーカー、警備会社などが参加した
ワーキンググループを設立し議論してきた。同グループでは早期の共通化を目指すこと
で一致し、実証実験を行い、開発に乗り出すことにした。
実験では、トイレや冷蔵庫などに取り付けたカメラやセンサーで1人暮らしの高齢者を
見守るサービスや緊急地震速報が発令されると、ガスコンロの火が自動的に消える
サービスなどを実証する。このほか、家電などのソフトの不具合をネットを経由して把握・
改善する技術の実験も行う。
ネットとの接続や通信、料金の徴収システムなどの仕様を共通化することで、こうした
多様なサービスが実現できる。
さらに総務省と民間各社は、日本仕様を世界共通の国際標準とするため、国際機関など
に働きかけるほか、欧州企業などに日本仕様と相互接続できる技術の開発を促していく考
えだ。国際標準を獲得できれば、日本企業にとってネットワークシステムや機器の輸出の
ほか、海外でのサービス展開など大きなビジネスチャンスが生まれる。
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200902060002a.nwc