中華料理の高級食材として珍重されるナマコやアワビの価格が急落し、東北の産地を直撃し
ている。一時は中国の好景気に支えられて乾燥加工品の輸出が大きく伸び、「バブル」と呼
ばれるほどの高値を呼んだが、最近は世界同時不況のあおりで需要が一気に減退した。漁業
関係者は「冬場の生活に大打撃だ」と頭を抱えている。
「冬の収入はほとんどがナマコ。これほど急に、大幅に値が下がるとは想像していなかった。
国内2位の水揚げ(2007年、約900トン)を誇る青森県産のナマコ。県漁連によると、
10年ほど前まで1キロ数百円だった平均水揚げ価格が06、07年度は1キロ2000円
ほどに跳ね上がった。「黒いダイヤ」と呼ばれ、密漁が横行したほどだった。
ところが、本年度は状況が一変。1キロ1250円前後まで落ち込んだ。価格急落の要因と
して、関係者が一様に挙げるのが、お得意さんの中国経済の陰りだ。
採ったナマコは乾燥され、中華料理に使う干しナマコとして輸出されてきた。中国ではナマ
コは体に良いとされ、健康ブームも手伝って資産家の間でもてはやされたが、昨秋の「リー
マン・ショック」以降、需要が急速に冷え込んだという。
干しナマコを手掛ける青森市の水産加工会社は「以前は投機目的で取引されることも多く、
まさに『バブル』だった。景気も先行き不透明だし、今後はさらに値下がりするだろう」と
みる。価格の急落は中国経済の影響だけはないとの見方もある。
弘前大農学生命科学部ナマコ研究センター長の渋谷長生教授は「最も品質が良いとされる
北海道産ナマコの値段は昨年度とそれほど変化がない」と指摘。「中国でナマコ養殖も盛ん
になり、競争が激化する中、販売戦略を練った上で輸出することが求められている」と言う。
干しアワビ「乾鮑(かんぽう)」として、中国へ加工輸出されてきた三陸産のアワビも、
価格低迷にさらされている。
河北新報社 2009/02/05
http://www.recordchina.co.jp/group/g28281.html 関連
白いナマコ見つかったの巻
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/liveplus/1233409900/l50