メリルのボーナス、赤字発表前に支払い…当局が違法性捜査
【ニューヨーク=山本正実】ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ司法長官は、
米大手証券メリルリンチが昨年12月、通常より1〜2か月前倒しで幹部らに
ボーナスを支払ったことが、違法でなかったかどうか捜査を始めた。
米メディアが22日、一斉に報じた。
同社が20日発表した2008年10〜12月期の暫定決算の純利益は153億
ドルの赤字。クオモ長官は、同社が赤字決算に陥るのを知りながら、1月1日
にバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)に買収される直前にボーナス支給を強行
した疑いを抱いているという。
一方、バンカメは22日、メリルリンチの前最高経営責任者(CEO)で、バンカメ
の部門トップだったジョン・セイン氏の退任を発表した。バンカメはメリルリンチ
の保有資産から生じる損失に備え公的資金の再注入を仰いでおり、事実上の
引責辞任とみられる。
セイン氏は08年9月、メリルリンチCEOとしてバンカメへの身売りを決定。
同年末、最大1000万ドルのボーナスを会社に求めたことで批判され、その後、
受け取りを辞退している。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090123-OYT1T00561.htm