シスメックス(本社・神戸市)は1月21日、オンコリスバイオファーマ(本社・東京都港区)と共同で、
血液中に遊離した生きたがん細胞(血中循環がん細胞)を発光させ、高感度で検出する技術を
開発したと発表した。シスメックスでは、「がん転移の可能性を今まで以上に早期に、正確に予測
できる診断法につながる」としている。
同社によると、現在、がんの転移には原発巣のがん組織から血液中に遊離したがん細胞が大きく
関与しているといわれている。今回同社などが開発した技術は、生きたがん細胞内で増殖する
ウイルスを使用し、血液中に存在するがん細胞を発光させて検出するというもの。乳がん患者から
採取した血液中の生きたがん細胞を検出できることを確認しているという。
同社によると、転移の検査では現在、血清腫瘍マーカー検査やCTスキャンなどの画像診断が
行われている。しかし、これらの手法は、がん細胞由来のタンパク質の量によってがんの有無を判断
したり、転移巣の大きさを調べたりする手法で、転移巣が一定のサイズ以上でないと検出できず、
転移の可能性を早期に判断するのは難しいという。
同社では、「血中循環がん細胞を高感度で検出する技術は、治療の選択や治療効果のモニタ
リングにつながる新しい診断技術となることが期待される」としている。今後、オンコリスバイオファーマと
共に、乳がんを対象に事業化に向けた研究開発を進めるという。
ソース
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/20220.html