都会でも医師不足進む? 2025年、政投銀試算
2009年1月12日3時1分
東京都や京都府など医師が比較的多い地域も、現状のままなら
2025年には不足状態が進む可能性のあることが、日本政策投資
銀行の試算でわかった。患者千人当たりの医師数でみると2割以上
減る地域も出るとしている。高齢化が進んで病気の人が増えるとみら
れるためだ。
国立社会保障・人口問題研究所の人口予測と高齢化率をもとに
47都道府県の患者数を推計した。政府は医師不足を認めて09年
度に大学医学部の定員を増やすが、同行は「将来の見通しが明確
でない」として、医師数が05年のまま変わらないと仮定して試算した。
それによると、患者千人当たりの医師数は、全国では05年の30人
から25年には26人に減る。著しい人口減少で患者が減る秋田など
3県を除く44都道府県で減少する。
05年に41人と最も多かった東京都は33人に減る。東京に次ぐ京都
府は40人から36人、福岡県は39人から34人に。大阪府は36人
から31人、愛知県は29人から23人に減る。05年に21人で最も
少なかった埼玉県は17人と深刻化する。
減り方が激しいのは神奈川県。05年は27人だったが、25年は22%
減の21人。沖縄県(21%)、埼玉県、千葉県、東京都(各20%)、
愛知県(18%)が続くなど、人口の多い都市部が並ぶ。沖縄県は出生
率が全国最高で、人口増に伴う患者の増加が見込まれることが影響した。
藤木敬行調査役は「高齢化で患者が増えれば医師確保が深刻な課題
になりかねない」として、各地の住民の年齢構成を考慮した医療政策の
必要性を指摘している。(野瀬輝彦)
http://www.asahi.com/national/update/0112/TKY200901110172.html http://www.asahi.com/national/update/0112/images/TKY200901110174.jpg