日本産を偽装した野菜や魚などの農水産品が台湾で出回っていることが、農林水産省の
調査でわかった。
包装などに日本の有名な産地を表示したものを使ったり、高級食材の有名ブランドに
あやかったりしている。日本の産品を勝手に商標登録する「商標乗っ取り」が問題になっ
ているが、悪質な産地偽装に対し、農水省は現地の監視機関に告発するなどの対策を
検討している。
調査は、農水省の委託を受けた民間調査会社「トムソンコーポレーション」(東京都
千代田区)が昨年11月、台北市の市場やスーパーなど17か所で行った。
青果市場で、韓国産とみられるナシが「大分県日田産」の包装紙で、中国産のニンジンと
タマネギが北海道の「ホクレン」「JAきたみらい」のマークの段ボール箱に入れられ、それ
ぞれ日本産として売られていた。
販売担当者は、調査員に「メラミン問題以降、中国産という表示では売れない」と話した。
また、大分県の業者が販売している「関の鮮さば」の商標を無断で使ったサバも百貨店で
売られていた。「北海道オホーツク海産」とパッケージに書かれた冷凍ホタテもあった。いず
れも、日本の生産者が偽物と確認した。
消費者を誤認させる「ブランドただ乗り」も見つかった。プラスチック瓶に「北海道」と表示
しながら裏に小さく台湾産と書かれた牛乳や、高級牛肉として知られる「松阪牛」にあやかっ
たとみられる「松阪豚」と銘打った豚肉もあった。
農水省知的財産課の話「偽装が広がっており、継続的に調査する。あまりにも悪質な
ケースは、産地の自治体に知らせ、台湾の公正取引委員会にあたる公平交易委員会に
告発するなどの措置を取ってもらう」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090107-OYT1T00442.htm