米ネバダ大の研究チームが、コーヒーを入れた残りかすからディーゼルエンジン用の
バイオ燃料を安く作れることを実験で示し、米化学会の専門誌に発表した。
燃料はコーヒーの香りがするという。
チームは、コーヒーの残りかすに、まだ15%程度の油脂が含まれていることに着目。
地元のスターバックスコーヒーから仕入れた残りかすを乾燥し、有機溶媒で油脂を取り
出した。バイオ燃料をつくる標準的な反応で、ディーゼルエンジン用燃料になることが
わかった。
油脂から燃料への変換効率は100%だといい、世界中で毎年出る約700万トンの
コーヒーの残りかすを集めれば、約13億リットルのバイオディーゼル燃料を作れると
いう。植物油などからつくるバイオディーゼル燃料の生産量は、10年までに約120億
リットル程度に達すると見込まれており、その約1割に相当する。1年以内に小規模な
実験プラントを建設する計画だという。
大量に出るコーヒーの残りかすは、あまり使い道がなく、現在は土壌改良剤ぐらいに
しか使われていない。
米紙ニューヨーク・タイムズによるとチームは、飲み忘れて一晩放置されていた
コーヒーの表面に油が浮いているのを見て研究を思いついたという。
http://www.asahi.com/science/update/1220/TKY200812200169.html