忘年会真っ盛りの韓国で、政府やメーカーが偽の洋酒対策に追われている。「流通量の1割が偽洋酒」との指摘もあるだけに、
フタへの特殊加工など様々な工夫で対抗。それでも今月、偽洋酒を飲まされた酔客が死亡する事件が公になるなど、被害は
後を絶たない。
韓国の洋酒メーカー、ペルノ・リカール・コリアは今月、「トリプル・キーパー」と名付けた防止装置を高級国産ウイスキー
「インペリアル」に装着した。フタをひねる音と感触に特徴があるほか、開封すると「正品」という表示が出る仕組みだ。
同社の試みは01年以来、実に5回目。これまで偽の洋酒を空き瓶に注げないようにするキャップなど、様々な対策を講じてきた。
広報担当者は「偽洋酒との戦争」と語る。
他社も(1)開封すると内部のおもりが分離し、再使用ができなくなるフタ(2)特殊なラベルのシール――などを開発して対応。
韓国国税庁も11月から今月末まで、本物かどうかを確認できる電子タグを一部の高級洋酒につける試験事業を続けている。
国税庁によれば、04年から08年7月までに摘発された偽洋酒は、流通量の0.009%に過ぎない。だが、与党ハンナラ党の
安孝大議員は「1兆ウォン規模の洋酒市場全体の10%前後が偽洋酒と推測できる」と主張。今月、こうした懸念を裏付けるような
事件が明らかになった。
ソウルの警察署は12日、偽洋酒で泥酔させた客から金を奪って放置し、急性アルコール中毒で死亡させた飲食店主らを
強盗致死罪で逮捕したと発表。安物ウイスキーにウーロン茶を混ぜた原価3千ウォン(約210円)の偽洋酒を25万ウォンで
売りつけたという。
ソース(朝日新聞)
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