オバマ次期米大統領は、来年1月20日の就任宣誓式で祈りをささ
げる牧師に、同性婚反対論者のキリスト教福音派のリック・ウォー
レン牧師(54)を起用し、リベラル系団体などから激しい反発を浴
びている。
オバマ氏自身は、宗教右派の同師を起用することで米国の「融
和」を演出する狙いだが、閣僚の起用などで現実路線を鮮明にした
オバマ氏による、「左派切り捨て」を象徴する人選との見方も出て
いる。
米国の宗教界で現在、最も影響力のある牧師とされるウォーレン
師は、アフリカのエイズ問題や貧困対策に熱心な一方で、先月カリ
フォルニア州の住民投票で決まった同性婚禁止を支持するなど、
保守的な社会的価値観を前面に押し出している。
オバマ氏は、同師の起用を発表した18日の記者会見で、「同性
愛者の米国民の権利を支持する」と述べた上で、「特定の社会問
題で意見が違っても、米国民として結束することが大切だ」と強調。
だが、選挙戦でオバマ氏を支持した同性愛者団体などからは「裏
切られた」との声も強く、就任式に合わせワシントンなどで抗議デモ
が起きる可能性もある。 YOL ワシントン=黒瀬悦成
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081222-OYT1T00140.htm