京都家裁書記官、判決偽造容疑で聴取へ 詐欺団と共謀か
2008年12月7日3時0分
京都家裁の男性書記官(35)が、振り込め詐欺事件に利用されたとして
凍結された銀行口座を使えるようにするため、民事訴訟の判決文を偽造
した疑いがあることが6日、捜査当局の調べで分かった。埼玉県警は近く、
この書記官を偽造有印公文書行使の疑いで事情聴取し、容疑が固まり次第、
逮捕する方針だ。
振り込め詐欺に利用されていた口座は、埼玉県内の銀行に開設された
もので、架空の人物が名義人になっていた。事件に使われていることを
突き止めた別の県警の要請で、凍結されていた。
捜査関係者によると、書記官は今年9月ごろ、振り込め詐欺グループの
求めに応じて、京都地裁が民事訴訟で言い渡したように装った判決文を
偽造した疑いがあるという。県警は京都家裁の家宅捜索も実施し、この
書記官が振り込め詐欺グループと知り合った経緯や、偽造の詳しい手口
などを調べる。
判決は、貸金請求事件に関するもので、別の書記官が作成したようになって
いたという。書類には京都地裁でしか付けられない公印があったとされる。
男性書記官が無断で付けた可能性もあるという。判決の内容は、この口座
の名義人に債務の支払いを命じ、凍結の解除を要請したものになっていた
という。県警は口座開設の過程も調べている。
判決文を郵送で受け取ったさいたま地裁熊谷支部は9月、口座から預金が
引き出し可能となる命令を出し、凍結が解除された。その後、口座から何者
かが数百万円を引き出したという。
判決を出した形となった京都地裁に、熊谷支部から問い合わせの連絡が
いき、判決文の偽造が判明した。さいたま地裁が10月、刑事告発し、埼玉
県警が捜査していた。
県警は、書記官と振り込め詐欺グループの関係を調べ、実態解明を目指す。
http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY200812060257.html?ref=goo