【論説】ブサイクとはなんだったのか

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皆さんはブサイク記者を御存じだろうか。かつてニュース速報+板において
圧倒的な存在感を示した伝説の記者だ。もう彼がいなくなって数年の月日が過ぎた。
そうしてニュース速報+板も大分様変わりをした。
ブサイク記者はなぜあれ程までの人気を持つに到ったのか。また、ブサイク記者が
いなくなってしまった後に現れたブサイクフォロワー達は、なぜポストブサイクと
なれないのか。この辺りを中心に考察してみたい。
2Ψ:2008/01/20(日) 11:25:29 ID:y+w7+hpQ0
●ブサイクとは何だったのか
ブサイク記者の特徴と言われる点を挙げてみよう。
1、地方ニュースを主に扱う 
2、早朝にスレ立てをする 
3、一度に立てるスレの数が膨大である 
4、ほとんどのスレタイがソースそのままである 
5、稀に非常に挑戦的なスレを立てる 
6、ほとんどレスをしない 
7、ほぼ毎日スレを立てる 
8、一般人にとっては何の意味があるのかわからないようなニュースでスレを立てる 
9、定番スレを生み出している
こんな所だろうか。
3Ψ:2008/01/20(日) 11:26:27 ID:y+w7+hpQ0
なぜ地方ニュースなのか。地方ニュースはまず、他の記者が拾わない。そして、
通常拾われない為、人に知られない。そういうニュースを重視していたのでは
ないだろうかと考えられる。同様に、なぜ早朝であったのかも、他の記者が
活動していなかったからだと考えられるだろう。次に大量のスレを立てる点であるが、
恐らく北海道から沖縄に到るまでのニュースをチェックしていたであろうその
地方ニュースの幅からして、大量に立てようとしたのではなく、むしろ大量に
なってしまっただけなのだと考えるのが自然だ。ほとんど羅列とも言える程
大量のスレを立てていたブサイク記者であるが、ニュースサイトの記事全てを
スレに変換していた訳ではない。そこには当然ブサイク記者の選別が働いて
いたであろう。実際、一見どうでもいい地方のニュースであるが、実は非常に
奥深いニュースであったことも少なくない。しかし、同時にどう考えてもほとんど無価値では
ないのかというニュースも多く、まさに玉石混交であった。
4Ψ:2008/01/20(日) 11:26:56 ID:+8Z5M37b0
ブサヨとブサイクにおける演繹的考察について述べよ
           ↓
5Ψ:2008/01/20(日) 11:27:11 ID:y+w7+hpQ0
だが、玉石混交なそのスレッドの中の石と見えるスレの数々は、むしろブサイク記者自身の、
自らがスレを立てる中でどうしても回避し得ない「ニュースの選別」というものへの
抵抗であったのではないだろうか。また、一見無価値と見える石のスレはそのほとんどが
即死スレであったが、一方で非常に濃厚な内容で伸びるスレがあったことも確かだ。
そのようなスレに見られるのはニュースの関係者や、非常に博識な書き手の登場である。
ブサイク記者は地方の神社仏閣、遺跡、風俗関連のスレをよく立てていたが、
そこに現れた山野野衾氏は記憶に鮮明だ。一見つまらない地方の神社仏閣の
ニュースが、壮大な歴史絵巻の一ページとして紐解かれ、展開していく様は
痛快ですらあった。そこには誰にとってもわかりやすく重要なニュースの
スレにはないカタルシスが存在していた。
6Ψ:2008/01/20(日) 11:27:36 ID:y+w7+hpQ0
またハタハタスレには数多くのレシピ情報が集まり、異様な盛り上がりを見せた。
このようにスレを大きく展開させる人物の登場というものは、いかに巨大な2ちゃんねると
いえども一種の奇跡的な出会いであると言えるだろう。まさに石を玉に変える錬金術である。
前述の大量なスレ立ての理由のひとつとして、この出会いの促進もあったのではないだろうか。
次にスレタイについて考察してみたい。ブサイク記者は一部総合スレ以外は基本的にソース
そのままのタイトルを付けていた。反対に、現在のニュース速報+板のスレタイは
ばぐ太記者のスレタイに代表されるように、ニュースの内容へ踏み込み、煽りたて、
ベクトルを形成している。マスコミよりマスコミらしい態度ですらある。
7Ψ:2008/01/20(日) 11:28:00 ID:y+w7+hpQ0
対称的にブサイク記者のソースそのままという態度は、マスコミの対象化である。
つまりソース自体も議論の対象としているのである。また、そこにスレの1が
おもしろい必要はないという思想も読み取ることができる。一人の人間の
できることは限られている。スレッドのおもしろさは1の内容ではなく、2以降の
書き手達によって醸成される。ブサイク記者はこう考えていたのではないだろうか。
ホッキスレに代表される定番スレを生み出したのは2以降の書き手達だ。
このような考え方は決して特殊なものではなく、むしろある種古くからある
スタンダードな考え方である。記者制度やユーザーの増加によって、
掲示板が発信者と発信者と言う形から、発信者と受信者という従来型メディアの
形へと接近してきたことは誰の目にも明らかであろう。
8Ψ:2008/01/20(日) 11:28:20 ID:y+w7+hpQ0
記者制度はヒエラルキーを生み出さざるを得ない。ブサイク記者はそこに反抗したのではないだろうか。
ほとんどレスをしないことは1の存在の対象化である。しかし、一方でブサイク記者は
時折非常に挑戦的、実験的なスレを立てている。実験的総合スレ、ハンサム
ステーションは衝撃的であった。また、古典的騙しスレタイを駆使したり、総合
スレの自由奔放なスレタイなど、まるで失敗を恐れないスタンスは他の記者には
ないものである。一方で自分を消し、他方で強烈なアピールをする。このバランス
感覚がブサイク記者のカリスマ性を生んだ一因であることは間違いないだろう。
9Ψ:2008/01/20(日) 11:30:04 ID:y+w7+hpQ0
そして、ここまでブサイク記者をブサイクと呼んできたが、ブサイク記者自身が
自らをブサイクと名乗ったことはない。ブサイク記者は( ´`ω´)φ ★という顔文字が
名前であって、その呼び方は住民達によって自然と生み出されたものである。
ブサイク記者自身は自らのメールアドレスにハンサムさん(handsomesan)と設定しており、
自らをハンサムさんとしていたようであるが、このアドレスはブサイクさんという呼び方が
一般化した後に使われだしたことから、ブサイクさんという呼び名を受けての彼一流の
ユーモアであると考えられる。このように、ブサイク記者は一見住民達に対して無関心で
あるようでいて、その実住民達と協同してそのキャラクターを作っていったのである。
10Ψ:2008/01/20(日) 11:31:42 ID:y+w7+hpQ0
●まとめ
ブサイク記者とはなんだったのか。ここまでの考察で私の脳裏に浮んだ言葉は
「一期一会」、「則天去私」、そして「創発」である。
あなたはどう思うだろうか。


これで私の卒業論文を終わります。
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すばらしかった。