>>867 【為替】 1ドル100円の攻防・・・ヘッジファンド「円の防戦買い」
急激な円安が進んできた外国為替市場の円相場は、1ドル=100円を前に、投資家の思惑が絡む取引の攻防が続いている。
日銀の大規模な金融緩和策を材料にした円売りの動きと、100円乗せを阻止しようとする円買いの動きが交錯しているためだ。
「100円台到達は時間の問題」とみる市場関係者は多いが、一段の円売り材料が乏しいこともあり、当面は100円前後でもみあう展開になりそうだ。
円相場は、4日に日銀が新たな金融緩和策を発表したことを受け、急激な円安が進んだ。
発表前日の3日は1ドル=93円台だったが、11日には一時、約4年ぶりの円安水準となる99円84銭(東京市場)をつけた。
その後は97〜98円台で推移したが、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、
日銀の金融緩和策に批判が出なかったことから、再び円売りが加速。22日には一時、99円89銭をつけたが、
再び「100円の壁」にはね返された。25日午後5時時点は前日比29銭円高・ドル安の1ドル=99円21〜22銭。
100円に達しない理由として市場関係者が指摘するのが「通貨オプション」と呼ばれる金融派生商品(デリバティブ)の存在。
決められた日に一定のレートで売買できる権利(オプション)を取引するもので、例えば、1ドル=90円でドルを買う権利を持っていると、
実際のレートが95円の時でも5円安くドルを買える。安定的にドルを決済したい輸入企業や、ヘッジファンドなどが多用している。
ただ、一定のレートに達すると権利がなくなる契約が多い。1ドル=100円に設定されているケースが多いとされ
「権利を失いたくない投機筋が、100円にならないよう、円の『防戦買い』を仕掛けている」(みずほ証券の鈴木健吾氏)という。
もっとも、権利行使の期限は25〜26日前後に設定されているとの観測も強く、
三菱UFJ信託銀行の塚田常雅氏は「オプションの期日を過ぎると、1ドル=100円台は時間の問題」と指摘する。
長期的には円安基調が続くとみられているが、いったん100円をつけたあとは、この水準でもみあうとの予想が多い。
中国など海外経済の景気は力強さを欠いており、他国通貨を買って円を売る材料に乏しいためだ。
http://mainichi.jp/select/news/20130426mog00m020004000c.html