【KRW】ウォンを看取るスレ1614【海外勢売越し新記録】
慌ただしく出発して駆けずり回っていたニダが、漸く戻ってくるとウリの部屋はまるでジャングルのような有様になっていたニダ。
水を十分に用意して、まあ帰ってからも忙しいに決まっているニダ、と事前に判っていたので給水器を用意しておいてよかったニダ。
巨大化した蝦蛄葉サボテンがまるで怪獣のような姿になっているので、そろそろ鉢分けする必要があるニダ、
と思いながらも次は誰に押し付けようか、と考えてしまったニダ。
もう目星い人には色んな鉢植えを分けているので、邪魔にならないかが心配ニダ。
母の日の準備も何も、着替と最低必要限のものだけ持って出発したので何も用意できないまま、取り敢えず電話だけしてみたニダ。
思えば大学に進学するのに家を出てから、もう帰るときは盆暮れ正月程度になってしまった自分のことを振り返って、
自分が一番肝心の両親に心配をかけていないのか、と少しだけ自分に問いかけてみたニダ。
メールを確認すると、『ゴールデンウィーク、どうだった?』『俺たち、海外旅行で〜す!』などと楽しそうなメールがいっぱいだったニダ。
(ウリを除け者にして楽しみおって・・・)
と少しだけ恨めしい気持ちになりつつも、せめて今だけは楽しめる時間を満喫して欲しいニダ、と寂しく思ってしまったニダ。
仕事や扱っている情報故に自分の親しい友人達にも話せない未来の予想図を考えるだけで心に冷たい感情が吹き荒れてきてしまうニダ。
自分はそんな残酷な人間だったのか、と考えながらも、同時に知らない事こそが幸せでもあるのだ、と気持ちを振り切ることにしたニダ。
もし、自分が今の時間を振り返ることが出来たのならば、それはどのような世界となって見えるのだろうか、と考えてしまうニダ。
ソファに座って、煎れたてのコーヒーを楽しみながら、ふと目にしたギリシャ神話の本を手にしていたニダ。
今の時代のすべてを叙事詩に出来たのならば、恐らく、人類史上最大かつ最高の悲劇叙事詩を書き上げることが出来るかも知れないニダ、
と他人事のように考えてしまったニダ。
かつてオイディプス王は国に災いをもたらした先王殺人の犯人を追及するも、それが己自身であったことを知ってしまったニダ。
そして産みの母との間に子を儲けていた事実と妻であり母であるイオカステーの死に狂乱して己の目を潰してしまう、
このギリシャ悲劇最高傑作は、何度読んでも飽きることの無い名作ニダ。
ウリが一度旅行で訪れたことのあるイタリアはフォロ・ロマーノの遺跡群を思い出すと、
あの偉大な地中海文明の発展とその滅んでいった事実に悲しいロマンを掻き立てられてしまうニダ。
そして次に思い出すのがナポリで食べたリゾットの美味さニダ♪
イカ墨のリゾットのウマさは是非現地で楽しんでもらいたいニダが、少々塩辛いのと味が同じなので半分ほどで飽きるのが難点ニダ。
そしてローマといえば道端に開いている極普通のピザ屋で食べるピザの激ウマさに驚かされるニダ・・・
あのピザを食べた後ではメタボ国のピザなど食べ物の内には入らないと思えてしまうニダ。
まあ、メタボ国の料理というか文化というか、全体的に「何でもあるけど、どれも本物ではない」という入浴の某証券トレーダーの言葉を思い出してしまうニダ。
出来れば今のオペレーションが終わった後で休暇をとってのんびりと温泉旅行をしたいニダ、と思いつつ
教授からのメールを開くと、『資料をまとめてすぐに来るように。来週からのプランの打ち合わせをする』と、余りにも無情なメールだったニダ・・・
ソファに座っているとそのまま眠ってしまうので、気合を入れて立ち上がるとバッグに必要な資料をねじ込んで、煎れたばかりのコーヒーをぐいっと一口飲み込んだニダ。
そしてドアを開けて外に出ると、まだ暗い空に星が輝いていたニダ。
人が生まれた時から星空は人を見つめ、そしてこれからも見続けていくのだろう、と唐突に脳裏に浮かんだ言葉に自分でもセンチになっているニダ、と苦笑してしまったニダ。