市況2で全国統一〜三国志〜part32

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せいじか日記 その4

「号外〜、号外〜!」
越前の町で「織田来たる」の文字が飛び交う。
まさにあっという間だった。開戦と同時に織田軍は甲斐になだれ込み、
織田の勢力圏を示すドス黒い色彩があっという間に越前・信濃を飲み込んだ。

まずい、私はかねてから依頼してあった職人町に飛び込んだ。
「おやじさん、頼んでおいた大筒の用意はできてるかい?」
『すまねぇ・・・』
おやじは申し訳なさそうに答えると、見てくれと言わんばかりに顎で大通りの方向を示した。
通りでは、そこらじゅうに兵持ちの武将たちが往路を行ったりきたりしながら
さかんに怒号を発していた。
「徴兵や徴兵や、金ならある。おまえらごっそり徴兵や!」

おやじさんは肩を落としながら問いかけた。
『おまえさん、政治家じゃろ・・・良かったら町の人に・・・』
「わかってる、それも私の役目だろう。」
私はその声をさえぎる様に、大量の米を蔵から引き出した。
街には安堵の声が広がった。

薄暗くなった帰り道、西の空に向かって大量の流星群が走った。
「大筒を雇えてたら、あれが私の弾道だったのかしれんな」
雇えぬ大筒へ想いを馳せながら、私の1603年12月は終わった。


せいじか日記 その5

私が市況国に歩いて仕官してから、早くも4年の歳月が過ぎていた。
登用文をもらわずに仕官したことに、多少の歯がゆさは残るものの
淡々と米を撒く姿に、心の中で「ありがとう」と言ってくれてる人は
いるんじゃないかと妄想することで、自分のプライドをなんとか保つことができた。

いつものように越後の町で米蔵を開放していると、パチスロ男爵と言う武将に呼び止められた。
越後近郊の堀合戦で懐が潤っているのか、首や手には伽羅やら真珠の数珠がじゃらじゃらと付いていた。
『おう、いつもありがとな、おまえさんもたまには兵器雇ってガツンと一発どうだい?』
「いえいえ、こっちは歩いて仕官している身、武官さんをサポートするのも悪くはないですよ。」
『ははは、そうかそうか、まぁ俺みたいに知力が高いと出兵せざるをえないんだよな、
 それでも兵回復が使えるから統率バカより治安には優しいんだがな、がはは』

武官という職業はこれくらいのあさましさがないとやれないんだろうなと心の中で思っていると
男爵は去り際に、使わないからと獣骨の数珠をくれた。私も使わないのだが。

今のところ町は平和に見えた。
だがしかし、織田がひたひたと越後に近づいてきているのがわかった。
軍事と羅運寺一向宗に挟まれた越後、伊豆の時と同じ匂いがする。
兵器を雇ってガツンと一発・・・織田の顔面に放つことができたらどんなに気持ち良いだろう。

復興ばかりじゃオフ手抜きと思われそうなので、軽く東北の偵察をして1607年12月を終えた。