【6758】ソニー 269【It's a SONY】

2年前の6月、生まれて初めて買った株が2100円のソニーだった。
過去の優良銘柄で、有名。当時はPSN情報流出事件が嫌気されていたが、
本業とは関係ないしそのうち戻すだろうと大した考えも無く購入してみた。
しかし、株価はなかなか戻らない。そうこうしている内に
米債務上限問題や欧州債務危機が勃発。リスク資産はどんどん売られる。
しかし、さすが始めたばかりで損切りなんて知らずにずっと持ち続けてた。
欧州債務問題の深刻さなんてまるで理解していなかった。
どんどん含み損は膨らんでいったが低ロットだったしずっと持ち続けてた。

1年前の3月、LTROによる欧州危機一服と米雇用改善で
ソニーは1800円台まで戻した。2000円まで戻したら損切りしようと
思っていた。あと一息だったがソニーは1800円台で
ダブルトップを作って日経平均と共に儚く崩れさっていった。

1年前の6月、ついに1000円を割る。半値を超えてしまった。
もうどうにでもなれ状態だった。
しかし、下落一服後、急速に切り返し始める。
依然、大勢は下落基調だったが遂に底を打ったか？
という淡い期待の元、1100円でナンピン。
平均取得価額が1600円になる。

しかしソニーは戻し切れず敢え無く下落トレンドに回帰。
800円台と1000円台のレンジとなる。

11月、1500億の新株予約権付転換社債が発行される。
事実上の増資だ。株価は700円台を付ける。
もう終わりだろうか。1000円を割ってそのまま帰って
来なくなったパナやシャープが頭をよぎる。

しかしその後、衆院解散と世界的なリスクオンの再開が重なり
株価はどんどん戻し始める。

2月、遂に株価は1550円に到達。後、50円だ。
そう思った矢先、そこを天井に株価は崩れ始める。
急な上昇に調整はつきもの。じっくりと待つ。
昨年のように日本株全体のトレンドが崩れない事を祈りながら。

2月中旬。ソニーは1400の蓋に阻まれる。
他の銘柄がPBR1.0倍を回復する中、ソニーは未だにPBR0.7倍台。
転換社債の新株予約権分の株が織り込まれていたり、
決算見通しが資産売却などでおめかしされた数字だったからだろう。
もう1500には戻さないのだろうか。
出来高も細り始めチャートが嫌な感じになってくる。
しかし日本株全体のトレンドは崩れていない。じっと耐える。

3月。株価はじわりと上昇を再開する。
出遅れ銘柄やPBR1.0倍割れ銘柄という事でソニーに俄に注目が
集まっているようだ。新株予約権の株は数字には表れないし、
トレンドの中では本業の見通しなど気にもされない…。

3月15日。米株が嫌なヒゲを付け始め円売りの一服感も強まる中、
長期資金の流入やリバランスのおかげで日経平均が12500を突破。
ソニーにも資金が流入。ストップを狩り込んだのか勢いよく上昇し
遂に株価は1600円を超える。1600円ジャストにセットしていた指値を
見事に突破し、糞株は俺の手元から誰かの手に移った。
ザラバにその瞬間を見れなかったのは残念だが、
遂に俺は初心者の過ちを克服する事ができた。
さよなら、2年近く連れ添った俺の初めての株。
お前と別れた今日、俺はようやく一人前のトレーダーへの
第一歩を踏み出し始める事が出来たような気がする…。