人材派遣大手の旧グッドウィルグループによる企業買収をめぐる脱税事件で、東京地検特捜部は、
逃亡先の韓国で拘束されていた投資ファンド運営会社の元代表の身柄の引き渡しを受け、およそ
56億円に上る所得を隠したとして、法人税法違反の疑いで逮捕しました。逮捕されたのは、投資ファンド
運営会社「コリンシアンパートナーズ」の元代表で公認会計士の中村秀夫容疑者(52)です。
東京地検特捜部の調べによりますと、コリンシアンパートナーズは、人材派遣大手の旧グッドウィル・
グループが4年前に、業界最大手だった人材派遣会社を880億円余りで買収するのを仲介しましたが、
中村元代表は仲介で得た利益のうちおよそ56億円を隠し、16億7000万円を脱税したとして、法人税法
違反の疑いがもたれています。中村元代表は、去年7月、特捜部の事情聴取を受けた直後に海外に逃亡し、
特捜部は逮捕状を取って行方を捜していましたが、12月に韓国で身柄を拘束されました。特捜部は、日本と
韓国の犯罪人の引き渡し条約に基づいて、10日、中村元代表の身柄の引き渡しを受け、逮捕しました。
関係者によりますと、中村元代表は仲介で得た資金のうち、百数十億円を別の複数の企業の買収などに
充てていたということで、特捜部は、巨額の資金の流れについて解明を進めるものとみられます。
http://www.nhk.or.jp/news/k10015568071000.html