◆◆◆5月の市況 その70◆◆◆

ぬぬのひと向け

<日経>◇双日、在庫半減へ　２年後目標
　双日は財務改善に向け在庫の圧縮を加速する。2009年3月期末で3800億円強あった棚卸し資産を向こう2年間で2000億円程度とほぼ半減させる。資金繰りの改善を通じて有利子負債を削減するとともに、在庫の評価損リスクを軽減する狙いがある。
　ここ数年の事業拡大で在庫積み増しに動いた結果、前期末の棚卸し資産は2年前に比べ2割強も増加した。昨年秋からの景気悪化を受け、方針を転換。今後2年で自動車や不動産など在庫の現金化を集中的に進め、11年3月期末までに同社が適正水準と考える2000億円程度まで落とす。
　在庫の圧縮は本業の営業キャッシュフローの増加要因となり、2010年3月期は200億円程度の黒字を確保する見通しだ。純有利子負債も今期末には8500億円と前期末比150億円強減りそうだ。
　前期からの低価法採用に伴う在庫の減損リスクを減らす狙いもある。市況悪化を背景に前期は不動産だけで200億円弱の評価損を計上した。東欧向けの自動車やアジアの肥料事業でもそれぞれ減損損失が出たもようで、前期の純利益が70％減る主因となった。
世界的な景気低迷が長期化するリスクもある中で、減損の可能性のある資産を減らすことで収益の下振れリスクを抑える考え。