【m9(^Д^)】おもしろ決算悪材料スレ91【( ´∀` )】
ZENTEK前期、異例の会計処理、売掛金、営業権で回収―会社側「正当と確信」。
2008/07/01, 日本経済新聞 朝刊, 18ページ, 有, 940文字
デジタル家電用ソフトを開発するゼンテック・テクノロジー・ジャパンの
売掛金回収に伴う二〇〇八年三月期の会計処理が、市場で関心を集めている。
一般的な現金ではなく、取引先の営業権や在庫品などの資産で回収する異例の
手法を活用したからだ。会社側は「正当な処理と確信している」と説明している。
焦点はゼンテックが中国の委託先を通じて生産し、量販店などに販売するため
出資先でもある販売会社に卸した薄型テレビに関する売掛金に関する会計処理。
この販売会社にはゼンテックが約一割出資しているが、連結対象ではない。
前期の決算短信と有価証券報告書で、キャッシュフロー計算書の注記事項に
「重要な非資金取引の内容」と記載した取引だ。
ゼンテックの説明では、販売会社への売掛金残高は約三十三億円(連結売上
高の四分の一に相当)あった。薄型テレビは競争が激しく、製品が計画通り
売れなかったという。回収が難しいとみて現金ではなく、販売会社が保有する
流動資産と無形固定資産で回収することにした。
ゼンテックによれば、具体的には〇八年二月に販売会社の家電量販店への
売掛金八億円とテレビなどの在庫十億円をゼンテック側に移した。さらに販売
会社の商標権と国内での営業権を計十五億円と評価し、これらを受け取る形で
売掛金と相殺した。この取引で売掛金は棚卸し資産と営業権などに置き換わった。
ある公認会計士は「売掛金は現金か、すぐに現金にできるもので回収するのが
通常。回収した売掛金は本来なら損失処理すべきだ」と指摘する。別な会計士は
「売掛金を在庫で回収するには違和感がある」と疑問を投げかける。
こうした見方に対し、創業者の大谷省三会長は「会計監査人のウィングパートナーズが
きちっと判断し、認めてもらった。会計監査人から正当だと言われた限りは、
正当な処理であると確信している」と話す。
ゼンテックは〇一年に大証ヘラクレスに上場したソフト開発会社。
「完成品のテレビを売った方が利益率は下がっても売上高は増える」(吉村
一男取締役)と考え、前期から薄型テレビの製造・販売事業を始めた。
前期の連結売上高は前の期比一三%増の百二十八億円、純利益は一二%増の
六億四千五百万円。
株価はこの一カ月で半分以下に下落、三十日に上場来安値をつけた。