◆◆◆11月の市況 その63◆◆◆

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571山師さん@トレード中
JTが加ト吉買収か。

(1)加ト吉が連結決算の経常利益予想を50%減額した。売上高も38%減の2,154億円に減額した。
(2)監査法人が変わり、旧経営陣が支配していた子会社4社を連結決算から外して持ち分法に変更するなど、決算手法と決算内容は抜本的に修正された。
(3)民営化される前のJTは日本専売公社と呼ばれ、大蔵省が直轄していた。今回の決算修正でJTは最も保守的な決算手法を適用したと推定される。
(4)しかし実態価値を全面的に洗い直すことによって、JTが加ト吉を買収するための障害はすべて排除されたと私は感じた。現在に至るまでの経過は次の通りである。
(5)JTは、英ガラハー買収によって売上高6.4兆円、営業利益4,000億円の世界的な巨大優良タバコ会社に躍進した。しかしタバコ産業そのものが斜陽化しており、JTは新たな成長分野を薬品と食品に求めていた。
(6)食品分野で加ト吉に着目し、5%を出資した。世界的な巨大企業のJTが食品担当役員のトップ2名を格下の加ト吉に派遣したのだから、当初から買収を視野に入れていたと思われる。
(7)加ト吉サイドでも創業社長の加藤氏が老齢化し、JTに経営権を禅譲する合意があったと推定される。
(8)たまたま加ト吉は不透明な循環取引が発覚し、ミートホープ事件に巻き込まれるなど、不祥事が続発、加藤氏と旧経営陣が退任して、JT出身の2名が残った。
(9)新社長に就任した金森氏は元専売公社の殿様商法とは無縁の実力者で、一歩も引かず、快刀乱麻を断つがごとく鮮やかに窮地を乗り越えた。その泥まみれの奮闘と力量に私は強い感銘を受けた。
(10)かくして加ト吉は事実上、JTの丸抱え企業となった。私にはJTが即座にTOBに踏み切らない理由がわからなかったが、今回の決算修正で疑問は氷解した。
(11)市場買い付けか第3社割り当てかはともかく、JTによるTOB表明は時間の問題だろう。投資家はJTの決断を大歓迎するだろう。
(12)JTは世界屈指のタバコ会社である。JTの後ろ盾を得た加ト吉は海外で冷凍食品を拡販し、国内でJA(農協)の販売網を取得するだろう。
(13)決算悪で売られたところは買いの好機だと私は思う。