FIS江 初値分析
■ 大都市圏の大型施設に設置されるような大規模駐車場の運営受託が主体。
初値は公募価格(27000円)を187%上回る77500円となった。
■ 上場2日目で全株一致。初値形成時の出来高は、公開株数の約64%相当となる8127株だった。
品薄感、値ごろ感、バリュエーション面の割安感など豊富な買い材料を要因に、
市場コンセンサス(7万円〜8万円)通りとなる好発進を見せた。
ただ、寄り付き後は戻りを試しながらも上値は切り下がる、冴えない展開が続いた。
後場に入ると1件100株程度のまとまった買い注文も少なくなり、小ぶりな売買の繰り返しとなった。
■ 1株単位で7万円台の手掛け易さもあり、セカンダリーでは格好のディーリング銘柄化が期待されていた。
期待に反して商いにボリュームがなかったのは、即日現金徴収などの買い規制が要因だろう。
本日は資金の廻りが悪かったが、これが解除される明日のスタート動向に改めて注目したい。
とくに、買い板のボリュームアップが見られるかどうかが重要である。一度物色圏に入れば、
値幅取り狙いの短期資金が集中しやすい条件である。なお、本日のストップ安67500円水準で824株の売り物を
吸い上げており、下値はこの辺りが短期メドとなろう。目先、シコリを残した初値水準が上値目標となる。
■ なお、大和総研による来期業績予想が観測されたが、その成長見通しの高さはサプライズであった。
同総研では、来09.3期業績を売上高55.5憶円(前期比53%増)、経常利益7.2憶円(同100%増)、
当期純利益4.2憶円(同100%増)、EPS5350円と予想。「再開発事業のコンサルティング案件からの
新規受注獲得で、運営・管理現場の増加が見込まれ、高い利益成長が継続する」としている。
上場前に観測された他の国内証券予想では、年率成長率20%程度とみられており、
今回の大和予想は際立って強気。同予想をベースとした本日終値の来09.3期予想PERは12.8倍であり、
初値直後に強まり易い割高感も乏しいといえる。