【4566】LTTバイオファーマ【潰瘍性大腸炎薬進展中】

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672山師さん@トレード中
 LTTバイオファーマは2006年9月22日に開催した取締役会で、稲垣哲也代表取締役社長と仲田博人
取締役経営管理本部長の辞任を決議したと発表した。
 辞任は9月30日付けで、後任の社長には、水島裕会長が兼務で就任する。また、同社は10月1日付
けで執行役員制度を導入することを決定。渡部良夫・内部監査室長が執行役員に就任し、仲田取締
役の後任の経営管理本部長に就任する。

 稲垣社長は25日、本誌の取材に応じ、退任の理由について、「オーナーが第三者に株式を譲渡し
たのを見て、私の役割は終わったと考えた」と説明。「もともとオーナー企業なので、いずれは退
任しようと考えていた。その時期が少し早まったことになるが、研究開発は予定通り進んでいる
し、水島会長と対立があったわけではない」と、稲垣社長は語る。

 稲垣社長が指摘する第三者への株式譲渡とは、LTTバイオの大株主である水島コーポレーションや
水島会長夫人が9月7日に大量の株式を売却した件。LTTバイオは9月8日に水島コーポレーションの保
有株数が減少した結果、筆頭株主が水島会長になったと発表すると共に、同社のホームページに掲
載した「LTTバイオファーマ研究開発および事業の進捗状況」と題する資料の中に、「現在、株主保
有数でトップ30名のうち常勤の役・社員は会長の水島裕のみである。そこで株も十分保有していた
だき、しかも当社の事業に大きく参加・支援していただく方を捜していたところ、適切な方がおら
れたので、会長以外のオーナー関連者の株を10%程度譲渡し、ご協力いただくこととした。詳細お
よび今後の事業については、 後日、本HPで紹介させていただく」と記載した。

 LTTバイオ株の譲渡を受けたのは、東証マザーズに上場しているネット関連企業のオーベン(旧ア
イ・シー・エフ)の創業社長である井筒大輔氏とその関連企業と見られている。今後、同氏が何ら
かの形でLTTバイオの事業にかかわると見られ、稲垣社長、仲田取締役はそれを退任の機会ととらえ
た格好だ。

 水島会長は、株式譲渡の理由について「具体的なことが決まってから説明する」としながらも、
「(株式を譲渡することで)利益を共有できる仕組みにすれば、より活力ある事業展開ができると
考えた。また、我々が持つ技術をいろいろな分野に展開できるのではないかと期待している。ただ
し、医薬品の開発は縮小しないし、今後も力を入れてやっていく」と説明している。また、稲垣社
長、仲田取締役の退任については、「株式上場を果たすなど、現取締役には十分役目を発揮しても
らって会社として感謝している。両氏の退任が経営にデメリットにならないように今後の計画を立
てていく」と語った。

 稲垣社長、仲田取締役はLTTバイオの取締役は退任するが、10月1日付けでLTTバイオの顧問に就任
する。また、稲垣社長は、LTTバイオとアイロムが出資して設立したI&L Anti-Aging Managementの
社長職に当面とどまる見通し。なお、水島会長の社長職兼務については、「『当面』ではなく、あ
る程度の期間しっかりやっていく」(水島会長)とのことだ。(橋本宗明)