【4753】ライブドア上場廃止ヒーヒー【緊急退避】
414 :
山師さん@トレード中:
老骨に鞭打って新世界まで来たのは彼に会うためだった。
5年前のホリエモン・ショックの中心人物ー堀江貴文氏、その人に会うためである。
指定された店は猫の小便臭い路地の奥、5坪ばかりの居酒屋。
戸惑いを覚えつつも意を決して暖簾をくぐる。
一通り見渡しても絞りきった雑巾のような中年ばかり…
早すぎたのか?と思ったら隅のほうに声がした。
「田原さぁん」
彼が表舞台から消えて4年、壮絶な流転を経験してきたのであろう、
頭頂部が薄くなり、前歯が残らず抜け落ち、見る影も無くやつれているが、
クリッとした人懐っこい眼はサンデープロジェクトで会ったときと変わっていない。
真っ黒になった爪でドテ焼きを口に運ぶ
彼はいまだ能弁で、エネルギッシュであった。
会話のところどころに「想定の範囲」「シナジー効果」
という“堀江用語”が散りばめられているが、
前歯が無いため「ヒナジー」に聞こえてしまう。
「田原さん、ぼく、新しいビジネスモデルを考えてるんですよ、
アルミ缶とスチール缶のシナジー効果で新しい楽しさですよ」
ホッピーで真っ赤になった顔を輝かせて、語る彼の眼には
うっすら涙が浮かんでいるように見えた。
別れ際、取材料としては法外な厚さの封筒を渡すと
彼はびっくりし、怒りの表情を見せそうになったが、
押し戴くように両手をだし、か細い声で謝辞を言い、受け取った。
この“取材料”はかつての仇敵、現経団連会長の
日枝氏のポケットマネーとはもちろん言えない。
店を出るとき私と入れ違いに小柄な老人が
走るように彼に近づきいきなり彼を叩いた。
「アルミとスチールの区別もでけんのかヴォケ!!!!」