【4755】   楽天23   【結局、何したい?】

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189山師さん@トレード中
焦る楽天、きしむ「株高経営」――スクランブル(1) 2005/10/27, 01:00, 日経速報ニュース, 842文字

 楽天の三木谷浩史社長は先ごろ、「(TBSと)直接交渉をしたいが焦っていない」と話していた。
しかし実際の行動に焦燥感は隠しようがない。楽天は26日、TBS株を19%超まで買い増したと発表し、
事態は新たな局面に入った。
 気掛かりは楽天の株価だ。朝方の買い増し報道を受けた26日は、前日比1000円安の7万4600円と反落。
これは1月の年初来高値から4割以上下げた水準だ。「財務対策で大規模増資を実施する」といった観測で
株式価値の希薄化が懸念された面はある。だが根底にあるのは、もっと素朴な理由。なぜ急ぐのか、
なぜ相手の反発を押してまで株を買い増すのか――。市場は消化不良なのだ。
 「企業買収はあくまでプラスアルファ。すべての事業はおおむね絶好調と言っていい」(三木谷社長)。
上場以来、2004年12月期まで4年間に楽天の連結売上高は14倍に拡大。本業のもうけを示す営業利益も
14倍強となった。文字通り倍々ゲームの高成長が続くなか、何故いまTBSなのか、その理由が読みづらい。
 ヒントは事業構造の変遷に隠れていた。本業の仮想商店街「楽天市場」は規模の拡大もあって、従来の
成長ピッチを維持しにくい。05年6月中間期の総売上高に占める割合は4割となった。検索サイト、旅行予約、
ネット証券、信販会社…。今や連結売上高の過半は「楽天市場」以外で稼ぐ。中でも国重惇史副社長率いる
楽天証券の寄与は大きく、「現状はネット投資会社と言う方がふさわしい」(銀行系運用会社)。
 楽天の高成長は相次ぐ企業買収に支えられている。その意味で、規制業種で収益が安定する放送会社は魅力だ。
 もうひとつ、急ぐ理由がある。楽天はこれまで買収先の営業権(のれん代)を該当決算期に特別損失として
一括償却してきた。本来は販売管理費にかかる負担がないから、営業利益は大きく伸び、成長イメージを強調できる。
だが会計基準変更で06年4月からは、のれん代を毎期、営業利益段階で償却することになる。これも駆け込み
買収の理由と見られている。
190山師さん@トレード中:2005/10/27(木) 02:44:57 ID:Iq0PpG9v
焦る楽天、きしむ「株高経営」――スクランブル(2) 2005/10/27, 01:00, 日経速報ニュース, 488文字

 高成長の持続は、楽天の生命線だ。「株高↓買収↓収益拡大↓株高」。これまで金融機関から多額の
買収原資を引き出すことができたのも、市場での信用力の高さ、高株価が武器だった。
 ハードルは高い。相次ぐ買収で6月末の有利子負債残高は4800億円強。金融事業を除いても直近で
約1500億円の借入金を抱えているもよう。平均金利を2%とすれば、毎期30億円強の利払い負担だ。
 挽回(ばんかい)策はあるのか。「期末時点で20%を超える出資先企業は株式の保有期間にかかわらず
持ち分法適用対象会社になる」(大手監査法人)。つまり、楽天の意思でTBSを関連会社にするという
荒技がある。TBSの今期の予想連結純利益は195億円。今からでは損益への本格寄与は来期以降だが、
それでも40億円近い持ち分法投資益が見込める。
 「一文無しになってでもやる」。悲壮めいた決意を述べた三木谷社長だが、実は抜け目のない二の矢、
三の矢を構えているようにも見える。しかしTBS問題に力を入れること自体、図らずも本業の成長に限界が
あることを示したようなもの。市場の厳しい目を自社への評価に向け続けることはできるのだろうか。