【7421】カッパクリエイト4【す巻き株主ドッポン】

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596山師さん@トレード中
「特にひどい、の一言。既存店の悪化が止まらない、かつ急激である」。徳山淳和会長が
そう吐露するほど、今期の業績悪化はすさまじい。今05年5月期の中間決算は
ショッキングな下方修正となった。当初3%減程度を見込んでいた既存店が上期9.8%減
となったためだ。
 四季報新春号の取材時点では既存店は8%減程度と考えていたが、11月の17%減
という記録的な悪化状況は想定外だった。また、予想以上の売り上げ減で人員シフトの
混乱も相当あったとみられ、営業利益率は8.8%となんと6%もダウンした。
 減額を招いた要因はいくつもある。「今までは何もしなくても売れていた。
そのため立地も甘くなっていた。店舗での当然のサービスもおろそかになっている」
(徳山会長)。 1カ月で3000枚程度来る客からのハガキのほとんどが苦情で、接客態度
の悪さ、メニューが少なく飽きたなどと指摘する声が多い。また、店舗ごとの利益確保を
追求しすぎたためか、廃棄率ダウンや人件費カットを追求するあまり、人的サービスの
低下や、ネタの姿の乱れなどの深刻な問題を引き起こしている。
 当社は大阪など一部地域でネタのボリュームアップ作戦を実行したり、うどんやラーメン
などの麺類、あるいはカツ寿司や餃子など新規メニューを投入し巻き返しに血道を上げて
いる。ただ、例えばネタ重量拡大は客寄せになる一方で原価率上昇との諸刃のやいば
(実際、上期の原価率上昇の大きな要因はネタ重量アップ政策のツケでもある)。麺類は
新味を感じてもらえる反面、客単価低下を招く。決め手となる挽回策はまだ見つかって
いない状況だ。
 中間決算発表で開示した今05年5月期の通期業績予想は既存店10%減を前提に
組んでいるが、下期も12月は13%減、1月も「12月とほぼ同様の水準」(会社)で、
このまま下げ止まらなければ再度の下方修正もありうる。
 「2年前から手を打っておけばこうはならなかった」「やることが後手後手に回っている」。
徳山会長の言葉に苦渋に満ちている。拡大路線をまっしぐらに来た回転寿司大手は急に
暗いトンネルの中に入ってしまった。そしてそのトンネルは思ったより長そうだ。
【高橋由里記者】