http://number.bunshun.jp/articles/-/151962 アマチュア審判を経て、プロ審判になった人の話だ。
「オリンピックのとき、向こうの審判に『島国の野球は嘘をつくのか』ってずいぶん叩かれた。
ファウルチップで、ワンバンしてるのに、ダイレクトで捕ったってアピールする。デッドボールでも、当たってないのに当たったって言う。日本の審判は大変だな、って。
日本人はふた言目には『ルールブックに禁止とは書いてない』って言うけど、ルールブックはプレーヤーのフェアプレー精神を信頼して、必要最低限のことしか書いてないわけです。
だから、基本的には、こんなことをしたらおもしろくないよね、っていうことはやってはいけない。
ボークがなぜいけないかというと、走者の盗塁するチャンスを奪ってしまうからです。そんなことしたら、つまらないでしょ、と。
世界では、盗塁するとき、必ず打者は捕手の邪魔にならないよう避ける。空振りして、よろけちゃうこともあるんだけど、それでもすぐにかがむとか、邪魔にならないよう工夫しています。メジャーの選手でもそうですよ。
捕手と走者の1対1の勝負を、第三者が邪魔をしてはいけない。それが野球におけるフェアプレーの精神なんです。
今のままだと、日本人は国際大会に行くたびに恥をかくことになる。だから少しずつジャッジも国際基準になっていかざるをえない。
去年、甲子園で一、三塁から、一塁走者がわざと挟まれて、その間に三塁走者がホームをつくというプレーがあった。あれも高校野球では当たり前のトリックプレーですよね。
でも、あれも国際大会にいったら汚いプレーになる。そのあたりは、向こうの審判は絶対に譲りませんからね」