巨人小笠原、涙の引退試合

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1風吹けば名無し
「カッス」の愛称でプロ野球ファンから愛された巨人小笠原が、聖人だったころの記憶を呼び覚まし、日ハム時代から慣れ親しんだ東京ドームで今日、引退試合を行った。

今季は開幕から不調が続き、自身最小の33試合の出場に留まり、本塁打はわずかに4本。打率も0.98と過去最低の数字だった。
2000本安打まであと1本と迫りながらも、「これ以上チームに迷惑はかけられない」と、今季限りでの引退を表明し臨んだ横浜戦。先発に回った久保が好投し試合は3-1と巨人がリード。あとは巨人小笠原の打席待ちかと思われた。
しかし8回に登板した越智が2四球でランナーを貯めると、4番男村田に痛恨の逆転3ランを打たれてしまう。優勝へ向けて負けられない巨人は、9回に2死1、3塁と一打サヨナラの場面を迎える。大正義巨人軍原監督はこの絶好の機会に巨人小笠原を打席に送ろうとするが、
「自分に構わず、チームにとって最良の選択をしてください」との巨人小笠原の言葉に、涙を堪えながら代打中村紀を告げるも敢え無く三振。試合終了となった。

引退試合に出場できなかった巨人小笠原は、試合終了後に男村田から満面の笑みで花束を渡されると、「僕のシーズンは終わりましたが、巨人のシーズンはまだ終わっていません。最後まで応援よろしくお願いします」とチーム思いのコメントを残した。
自身の記録よりもチームの勝利を優先させた侍らしい最後だった。

このコメントを聞いた大正義巨人軍原監督は「最後くらいは花持たせてあげようってね(ニッコリ」と話した。
なお今後の試合には出場せず、ひとりの父親としての第二の人生を歩むもよう