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風吹けば名無し:
気がつくと彼は岩手・宮城の沿岸にいた。
持っていたバットで慎重に素振りをすると瓦礫だけがやさしく吹き飛ばされ、埋められていた人々を救い出した
もちろん生存者だけでなく遺体も多く見つかった。涙を堪え安置所へ遺体を、生存者を避難所へ運んだ
再び大きな地震が発生し大津波が押し寄せると一転、消防団の制止を振り払い波に向かって魂のフルスイング。
懸命にバットを振り続けるとやがて大津波は打ち砕かれ、穏やかな波に変わっていた
次に福島へ時速9800キロの速さで疾走し、放射線を吹き飛ばそうとここでもフルスイング。
自身は被曝してしまったが、福島県民をはじめとする国民を守り抜いた。
被災者の一人からの「ありがとう、ガッt」という声が聞こえた
驚き振り向いたところで、巨人小笠原は夢から目が覚めた
「実にくだらない夢だ」。移動中の球団バス車内の座席でそう呟いた巨人小笠原の頬には何かが伝った跡があった
同車内の大正義巨人軍原監督は一度取り出したお薬を再びポケットへ戻し、ほんの一瞬だけニッコリと微笑んだ
なお巨人阪神戦の収益寄付には間に合う模様