26 :
名無しでいいとも!:
クリたんは無言でボクを睨み続ける。
沈黙に耐えられなくなったボクは小声で、「どうせ今夜もニュース原稿を噛むくせに……」と呟くと、クリたんは悲しそうな目をしてボクを見つめた。
「そんなこと言わないでよ」クリたんは髪を掻き上げるようにして泣き出した。「そんなこと言わないでよ。わたしだって一生懸命にやってるんだから……」
ボクの胸は締め付けられる。なんでクリたんは、いつものようにボクの顔にツバを吐いて罵倒してくれないのか? いっそのこと、真っ赤なハイヒールでボクの股間を踏んでくれたっていいのに。
なんでクリたんは悲しそうな顔をするのか?
ボクは、悲しそうなクリたんなんて見たくない。
それに、今日は金曜日。今夜が終われば、月曜日まで会えないのだ。
「ク、クリたん……」とボクはクリたんの肩に触れようとしたその時、クリたんは言った。
今晩は、滝川クリステルです。