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名無しさん@HOME:
小学校6年生のとき、私立中学受験用の算数の問題集を、父親の監視下で、やらされた。
知っている人はわかると思うが、非常に難しい。
まちがえたら殴られる。
なかなかわからなくて考え込んでも、「こんなものができんのか」と殴られる。
思い出しても気分が悪くなってくる。
それでも、私立中学に入れたのはこんな親父のおかげかもしれない、と強いて考えていた。
ところが実はちがったのだ。
中学に入ってからのことだ。定期テストの最中で、あしたが英語のテストだという日のことだ。
朝日新聞に毎週載っていた中学生向けの英語の問題を取り出して、俺に向かって「これをやろう」と言い出す。
以前みたいに自分の監視下で問題をやらせようというわけだ。
「それは困る。試験範囲の教科書の勉強をしなければならない。関係ないことをやってるヒマはない。試験が全部終わってからにしてほしい」
と俺は言った。
「なんだ。英語のテストがあるから英語の勉強をしようと言ってるんじゃないか」
と、親父はたいそう不満そうだった。
つまり、自分の得意な勉強で、子供の目の前でいばりたかっただけなのだ。
親父は医者で、学生時代は優等生だったそうだ。息子の出来が悪いのが腹立たしく、それで殴ってばかりいたんだろう。
親父はすでに死んだが、思い出しても気分悪くなってくる。