【七五三でも】農家の暗部 part127【品定め】

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前スレで戦争になったら農家最強!って言ってる膿の話があったけど、うちの祖母はまさにそれの犠牲者だった。長文注意。
海辺の町で育ち、漁協に勤め、そこで出会った漁師の青年と恋仲に。
正式に婚約はしていなかったがお互いの親も結婚を認める間柄だった。
しかしそこに、祖父の一族が割って入り、祖母をよこせと言ってきた。
祖父一族は祖母父に何か貸しがあったらしく(ここは詳しくわからないです)祖母父は強く出られない。
祖母は3姉妹で当時まだ17,8歳(祖父は10歳ほど年上)
「あの子をいかせるなら私が!」と姉がかばってくれたが、なぜか祖父一族は祖母じゃないとだめだと言う。
戦時中ということもあり、「白い米が食えるぞ!」と何度も言われたそうだ。
そんなこんなで揉めている間に、婚約者も祖父も戦争へ行くことに。
婚約者を送り出す前日の夜に宴会があり、彼にお酌をしたことを祖母は忘れられないそうだ。

やがて戦争が終わったが、婚約者も祖父も生死不明。
祖父一族はそれでも、「帰ってきたらすぐ結婚できるように先にこっちに来ておけ」とうるさい。
祖母父は「先に復員してきた方と結婚させよう」と妥協。
しかし、帰ってきたのは祖父だった。
泣く泣く嫁入り道具すらない状態でお嫁に行った祖母。
祖母が結婚した後、婚約者も生きて戻ってきたから悲しすぎる。
続きます。
542/2:2009/05/25(月) 17:22:41 0
続き。
嫁ぎ先では、やったことのない農業をさせられ、家事も全て祖母が担当。
祖父は9人兄弟だったため、「嫁の食べる分はない」と当然米は食べさせてもらえない。
第一子が女だったため、役立たずと罵られ、産後一週間でまた働かされる。
気が付けば、まだ20そこそこなのに顔はシミとソバカスだらけ。
きれいに化粧し、「女の子はきれいでいなさい」と言われていた漁協時代を思い出しては泣いていたそうだ。

祖父家の田んぼの近くには、バス停がある。
ある日農作業をしていたら、同じく農作業をしていた近所の若いお嫁さんが、停留所に来たバスに猛ダッシュで乗り込み、そのまま帰ってこなかったという出来事が起こった。
祖母もそうしたかったらしいが、自分が帰れば父に迷惑がかかってしまう。
そう思うととても行動できなかったそうだ。

ここで出てくるような強烈な膿の話ではないけど、祖母は泣きながら語ってくれました。
小さい頃から「農家には嫁に行くな」と言われていた意味が、今ならすごくわかる。
祖父は祖母の味方でしたが、外貨稼ぎのためほとんど家にいなかったらしい。
ちなみに、祖父母と婚約者は今では茶飲み友達です。