その後いかがですか? その21

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たしかあれは20歳の誕生日だったと思う
家族ぐるみで秋田の田舎のばぁちゃん家に遊びに行ってた
小さな子供なら自然相手に何らかの遊びを見出すんだろうけどさ、20歳にもなると
そう言う訳にもいかず、あまりにもヒマなんで婆ちゃんと一緒に慣れない手つきで田んぼに生えてる雑草抜いて
田んぼの手入れ?みたいなのをしてたんだ。

もう太陽も傾き始めて、そろそろ帰らない?と話しかけて婆ちゃんの方を見ると何故か婆ちゃんの目線は俺の後ろで
表情は笑ってるみたいな感じで、体をくねくねさせて変な踊りみたいの踊ってんだ。

俺は最初、婆ちゃんがてっきりふざけてるのかと思って、俺もつられて笑ってたんだけど何かおかしい

婆ちゃんをよく見ると、笑いながらも涙を流して泣いてるんだ、解り易く言うなら
「とことん息が出来なくなる寸前までくすぐられ続けた様な表情」をして何か必死に俺に伝えたいことがあるらしいんだけど
口をパクパクしてるだけで聞き取れない、仕方が無いので婆ちゃんの目の前まで近づいたら、ようやく言っている事が理解できた。

婆ちゃんはもう○○ちゃん(俺の名前)と一緒におられんようになってしもうた、田んぼの神様に迎えられてしもうた
はよ逃げぇ、後ろむいたらアカン!逃げぇ!って泣きながら俺に必死で訴えてた。

お婆ちゃん大好きな俺は、そんな婆ちゃんを見捨てて逃げるなんて出来るわけも無く、覚悟を決めて後ろを向いた